「シンちゃん、11月11日は鮭の日でもあるのよ。理由は鮭という漢字の右半分」 「えーと……あ、なるほど。よく考えるものですね」 「昔はこの時期になると新巻鮭が出回って、お歳暮としても定番だったものよ。私も大好きだったわ」 「へえー」 「今は生態系が変わったせいでほとんど見なくなっちゃって。鮭自体、値段が何倍にもなったし。寂しいわぁ」 「そうなんですか」 「だから私は鮭の無念を酒で晴らすわ! お願い、ビール1ダース買ってきて!」 「結局それが言いたいがための前振りですか。未成年は酒を売ってもらえないから自分で買ってきてくださいと何度言えば分かるんですか」 →このページのTOPへ →小説一覧へ →HOME |
「ミサトさん、年賀状が来ましたよ」 「ありがと。じゃあ、仕分けをしましょうか。えーと、これがシンちゃん宛で、こっちが私の……やだ、加持からじゃない。縁起わるっ」 「そういう言い方はひどいんじゃ……。でも意外とミサトさん宛って来てないですね。大人ってもっと職場の人同士で送り合うものだと思ってました」 「あぁ、ネルフは年賀状やお歳暮の遣り取りをやめてるのよ」 「ふーん、らしいといえばらしいですね。合理的で」 「それもあるけど、トップがトップだから……。シンちゃんは碇司令からお歳暮のお礼状や、家庭用プリンターで住所氏名が印刷された年賀状を貰いたい?」 「毛筆で謹賀新年とだけ書かれた年賀状も可愛い干支が描かれた年賀状も御免ですね」 「日向、あまり飲むなよ……」 「ほっといてくれよ、青葉。どうせ僕は、風潮に逆らって怪訝な顔をされるのが怖くて年賀状も出せなかった負け犬なんだ……」 「分かった分かった、誰に出したかったのか知らんが元気出せ。今日はとことん付き合うから、な」 →このページのTOPへ →小説一覧へ →HOME |
「シンちゃん、ハッピーバレンタイン!」 「わぁ、ありがとうございます! ……買ってきた物ですよね?」 「そこは期待で顔を輝かせながら『まさか手作りですか?』と聞くところじゃないかしら? 時にシンちゃん、アスカやレイからも貰った?」 「ええ、一応。義理でしょうけど」 「そんなこともないと思うわよ〜? 結構シンちゃんって人気あるんだから。ほら、女子職員からもたくさん預かってきちゃった。シンジ君へ、って」 「ホ、ホントに!? うわぁ……どうしよう、照れますね」 「さて、問題です。この中に一つ、リツコの実験作も交じっています。それはどれでしょーか?」 「……さっきのこと怒ってるんなら謝りますから教えてください」 →このページのTOPへ →小説一覧へ →HOME |